23. 舌がん - 自宅療養中の生活 - 2016.5~9
退院
5月中旬に退院した。
シスプラチン2クール目からは、10日後であった。抗がん剤の予定2回目は中止したため、2クール目は予定3回目のタイミングで入れていた。最終回の放射線治療からは、5日後であった。
退院時、白血球はまだ 3000 あったが、翌週の外来診察時には、もう1800 くらいまで落ちていた。
丸2ヶ月の入院中、週末はたまに帰っていたものの、とにかく長かった。体はだるかったが、帰れて嬉しかった。
退院後の経過観察のための外来診察
頭頚科、放射線科、口腔外科の3科のため、うまく組めて半日。画像撮影があると、朝から午後2時くらいまで...。
再発転移は、初発と異なり早期発見でも生存率の上乗せはないとされる。急いで撮る必要はないのだろうけど、はやく安心したい...。
5月中下旬
診察:週1。後遺症の治り具合の確認、軟膏、うがい薬や、口内炎の痛み止めの補充。
家事:保育園の送迎(片道、車で 15分)とそのときのゴミ出し。これで1日のすべてのパワーを使い果たす。
自宅療養の1日のリズム(5月中下旬の例)
朝:保育園へ送り
午前:妻が準備してくれた朝食を頂く
食べるのにすごく時間がかかるので、食後ぼんやり横になっているうちに、お昼になる
昼:食欲がないが、目玉焼きを自分で焼いて、食べる
午後:本を読みたいが、倦怠感が強く、横になる(実際に睡眠することもあるが、横になるだけで寝なくても楽に)
夕方:保育園へ迎え(たまに子どもと一緒に買いもの)
夜:仕事から戻った妻がつくってくれた夕飯を、皆で食べる。ありがとう。
9時には就寝。口の中が渇きスプレーもするが、水も飲んでしまうので、夜中1~2回、お手洗いで目が覚める。
この頃は、体が思うように動かず、自分が自分でないようで、ほんと辛かった...。
6月
診察:2週に1回。7月の MRI を予約。
家事:保育園の送迎・ゴミ出し、洗濯もの干し。
アクティビティ:入院生活のリズムが体にしみこんでいるのか、早朝5時には目が覚めてしまう。
朝の涼しい時間帯の 30分程度、近場の公園などを散歩。
iPhoneのアプリでチェックすると、やはり歩いた日の午後は、かなり疲れてしまっている。
そして午前中は頑張って起き続け、新聞や本を読むことができるようになる。
ブログもこの頃から少しづつ。
しかし、午後2時ごろから急に疲労感が強くでてきて、起きていられない。
かならず睡眠するわけではないが、横にならないと、体が辛い。
味覚は激辛だけは無理だが、殆ど回復。唾液は、まだ放射線あてる前のレベルにまで、回復しない。
会社:産業医・人事・上司との面談で、まだ復職は難しいとの結論。
7月
診察:月に1回。MRI での頸部の再発転移の所見はなし。始まったばかりだが、やはり嬉しい。
来月、単純 CTで肺などチェック予定。
健側の歯茎が痛み、歯周病とのこと。地域の歯科医への紹介状の準備にはいる。
講習をうけた歯科クリニックのリストを渡される。来月の定期診察時で希望をつたえることに。
体重が戻らないことを放射線科にて相談。放射線科はゆっくり相談できるのでありがたい。ドクター曰く
「体重にかんして完全に戻るのは、入院期間の2倍から3倍が必要です。
MWさんの体重は、おそらくは筋肉が結構あったように思いますので、長めと思います。
手術の入院を含めると今回の一連の治療で3ヶ月の入院ですよね?短くても、退院から半年かかる話です。
ですので体重は、おそらく年末くらいまでかかります。それでも順調なんですよ...。」
家事:まだ、保育園の送迎・ゴミ出し、洗濯もの干し、でいっぱいいっぱい。
アクティビティ:リハビリと称し、数日おきに夏の高校野球の予選の応援観戦。母校、ベスト4入り。
高校球児たちから、元気をもらう(わたしは野球部ではありませんでしたが)。
朝の散歩も変わりなく。少しづつ、1日の活動可能時間が長くなっている。
それでも、何か活動していると max 4時間くらいで、以前の深夜のような疲労感を感じてしまう。
会社:産業医・人事・上司との面談。
退院から3ヶ月後の8月中下旬が1つの復帰目安だが、暑い夏場の復帰は避けましょう、とのありがたいコメント。
9月末まで自宅で療養し体調を整えることができる、思わぬ展開に。...助かりました。
実際、本人が職場復帰したいといった時期のまま戻させると、また休むことが多い、とのこと。
経験的に、体調からみて戻れるときプラス1ヶ月だと、その後も円滑なことが多い、とのこと。
わたしの場合、たぶん体調的には8月下旬で十分。そこにプラス1ヶ月。なるほど。
8月
診察:月に1回。単純 CT での再発転移の所見なし。嬉しい。
地域の歯科クリニックへの紹介状を頂く。口腔ケアと歯科治療がはじまる。
手のしびれと健側の頸部の張った感じについて、念のため整形外科クリニックへ。
レントゲンと手指の神経の反応テストからは、器質異常なしとのこと。
食べ過ぎがきっかけの下腹部のピンポイントの軽い張りについて、胃腸クリニックへ。
家事:お盆を過ぎたころから、急に体が動くようになる。退院から3ヶ月...産業医の先生の言った通り!
保育園の送迎・ゴミ出し、洗濯もの干し、さらには、夕飯の味噌汁を準備できる日も。
アクティビティ:渓流に日帰りキャンプ。下の子が遊びで滝に打たれている。光がまぶしい。
1泊の温泉旅行。行きの道中、海を眺める。温泉も素晴らしい。生きててよかった。
大学時代の友人たちに9年ぶりに再会、昼食会。みんな元気そうで、何より。
別れぎわ、「メールで知った病状からは、こんなに元気とは思ってなかったヨ」と言ってもらう。
渓流
9月
診察:月に1回。健側の頸部の張りを、ここ数週間ずっと感じている。触診して頂く。
転移というより、廓清の関係で頸部の筋肉の左右バランスが崩れているのでは、とのみたて。
嬉しかったのは、以前に比べ、話が聞き取りやすいとのこと。
おそらく数mmの世界と思いますが、先月から急に、舌の動きが良くなったの感じました。
あれ動く、いつの間に、上の前歯の根元に舌先をつけることできる!みたいな。話すのが怖くない。
歯科クリニックは、口腔ケアと虫歯治療。
下腹部のピンポイントの軽い張りは、漢方で軽くなったがゼロでないので、継続して胃腸クリニックへ。
家事:育園の送迎・ゴミ出し、洗濯もの干しに、洗濯物たたみが加わる。
さらに、たまにだけど、夕飯をフルで準備できるように!メイン料理は、焼くか炒めるか、だけど...。
アクティビティ:スポーツジムへ入会し、2~3日に1回は、水泳やウォーキングマシンで体を動かす。
会社:すこしづつ自宅で過去のメールをチェックしたり、資料を眺めるように。職場復帰は 10/1付で確定。
休職中の最後の面談では、眼の輝きが戻りましたねー、との一言もいただく。
はい、なるたけしゃべらないで、眼は口ほどに物を言う、を極めます(と思っただけで言ってません)。
後遺症のケアまとめ
頚部の放射線のやけど
5月中旬の退院時から6月上旬の診察時に主治医に何もしなくてよいと言われるまで、約3週間ほど自宅でも病院と同じようにアズノール軟膏を塗って、パッドを貼った。1日2回。
白血球低下
2000 に回復したのは最後のシスプラチンからちょうど 1ヶ月たった 6月。そこでマスクをしないで良いという話に。3000台に回復するまでには、さらに2ヶ月もかかり、8月。すでに書いたように、実際、お盆過ぎたころ(退院からちょうど3ヶ月たったころ)から、急に体が動くようになる。
のどの痛み
8月の診察時、触診で入れて頂いたドクターの指が抑えたのどの内側、舌根の喉の側の奥のほう、ひりひりと1週間くらい痛かった。1日に何度もうがいした。
放射線治療の最初の副作用が、同じところ、患部の側の喉の内側のヒリヒリ感だったことを思い出す。そしてうがいは、放射線治療中の後半に痛くて麻酔入りのうがい薬で何度もうがいしていた頃を思い出す。
その後、この痛みは完全に軽快し、安心する。
(他の不調は、別の記事、"再発なのか後遺症なのか" をご参照ください。)
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8月の小旅行のスナップ。温泉に行く途中、1年ぶりに海をみる。海はいいねー。
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