4. 舌がん - 大病院 2016.1
時間をかけた触診・早々の告知
ときどき指をノギスにあてたりして、何かの長さを確認している。触診は、口の中に指を入れて、何度も何度も角度を変えながら、舌の腫瘍?をもむ。ヅキヅキとこれまで経験がない痛み。その後、頸部エコー。
"今からできないか..." どこかに電話してドクターが何かをかけあっている...。CT造影剤のアレルギー有無を問われたが、経験がないのでわからない。やるしかないのであろう...知る限り自分のアレルギーは花粉だけと思うが、どうか。
ところがやってみたら、CT造影剤にアレルギーがあった(!)。撮影を終え、筒の台を引き抜いたそばからぽーっと顔が赤くなり、気分が悪くなる。(その後、1週間ちかく気分が悪かった。)30分ほど点滴&安静した後、ゆっくりと自力で頭頚科の診察室に戻る。
舌癌...ドクターが電子カルテにタイプしていく画面が見えてしまった。そのタイミングで 思わず "えっ" と小声をもらす。
"私は頭頸部の癌を専門にしています”(ドクター)
”生検の結果はありませんが、ほぼ間違いなく舌癌です。(CT画像を示しながら)腫瘍のかたちとして斜め方向の深さがあり、内向型と呼ばれるタイプです。あまり自覚症状がなく、進行している段階でいらっしゃることは珍しくありません。おそらく筋層の深くに浸潤しています。舌癌の場合、筋層の深くに浸潤していることで、リンパ節の転移の有無と関係なくステージ IVa となります。このステージによって、治療の方法が決まってきます。"(ドクター)
ドクターはさらさらとメモ用紙に手書きで TNM分類を説明される。角に "舌癌" と書き、少し間をおいて、続けて "うたがい" と追記された。しかし、もうクロなのでしょう...私の頭のなかは真っ白ですが...。とても自分のこととは思えない...癌。
それに舌癌って、昔観た台湾の映画『童年往事 (ホウ・シャオシェン 監督)』の一場面、もっと見た目が大きくて白くて、ボコッとしたカリフラワー?のようで、"鏡でひと目みて、見た自分がキャーと驚く" レベルと思っていた...殆ど知識なし。
内向型なんてのがあったのか...。(ドクターは仰らなかったが、後日の入院中、自分で調べると、どんな資料にも内向型は予後が悪いと必ず書かれており、そこでもショック大...。)
画像診断医と臨床医
"画像診断のドクターは、画像からは、リンパ節の転移は無く、腫瘍の大きさについてもステージ II という判定です。そこで、どうしても手術ができない、あるいは切りたくない、というかたには "小線源治療" という放射線を使った切らない治療も健康保険でできます。"(ドクター)
"ですが、リンパ節のこの左右の大きさの違いは(CT画像を示しながら)、確かにこのくらいでも異常がないこともありますが、私の経験上は、リンパ節に転移していると思います(怪しいのが2つあるとのこと)。"(ドクター)
"舌の右側半分を切り、皮を脚からもってきて再建し、同時に、予防的に、となりますが、右側の頸部リンパ節の部分的な廓清をおこなう手術が良いと思います。廓清では、リンパ節をとるほか、再建のための血管をそこで準備します。舌を切る範囲は、マージンをとったうえでも今なら半分で済みます。顎は切らないで大丈夫です。"(ドクター)
舌半側切除・再建・部分的頸部リンパ節廓清
"この手術をうけた患者さんとお話ししますと、以前に比べ、少し言葉は聞き取りずらくはなります。ですが、舌の半分が残っていますので、仕事が続けられなくなることや、味覚や唾液についての大きな機能の低下は聞きません。再建は、蓋のイメージです。血管がつながった生きた組織ですが、動かすことはできず、感じることもありません。"(ドクター)
脚の皮弁をとることや、首の廓清について。スポーツできますか。走ったりボール投げたりできますか。質問。
”時間はかかりますが、問題なくできるようになります。廓清は全部のリンパ節ではないため、腕が肩よりも上に上がるような神経は残す予定です。”(ドクター)
手術を仮予約
最短では約2週間後に手術可能とのことで、仮予約。クリニック初診から3週間もたたずに手術...展開はやすぎ...。
最後に別の医師が部屋に入り、生検をおこなう。麻酔の注射があったが、病院を出た頃から、けっこう痛む。CT造影剤のこともあり、気分がよくない。来週、生検結果を聞く日に MRI 予定。
午後2時ごろから診察が始まったが、すっかり日も落ちた真冬の夕暮れ、どのような心境で運転して、保育園に子どもの迎えにいったのか、まったく思い出せない。
0コメント