7. 舌がん - 最初の入院 2016.1
入院歴
小学校低学年のころ、腫れた扁桃腺の切除(アデノイド)の手術で入院して以来、○○年ぶりの入院。
以降は大きく体調を崩したこともなく、20代の後半に1度だけ、冬のはじまりの時期にいきなり降った大雪の朝に突然発熱、近所のクリニックで点滴うけながら数時間横になっただけ...体はホント丈夫だったのに...。
"世界の終り"
こちらの病院の数字として、同じ手術で5% ほど死亡しているとの説明に息がつまる。がん5年生存率の話にいく前に、まず 20人に1人...。ここで亡くなってもおかしくないんだ...。
いろいろ準備しないといけないのかな...でも自分が間もなく人生を終えるという気持ちには、なれない。
ちょうど入院にあたり、新刊本『世界の終りの7日間 (ベン・H・ウインタース)』が間に合った。3部作の最後。1作目と2作目も持参。刻々と迫る地球最後の日を前に、刑事が淡々と自分の仕事をする話。
小説では自分の最後まであと何日あるのかは(人類は皆)わかるが、私はわからない。両親より先に逝くことは残念でならない。あまりじたばたしたくないが、その一方で、静かに死を待つ気にもなれない。やはりどうしても、何とかならないものか、と思ってしまう。
"いま死ぬ気がしない"(私)
"死なないわよ"(妻)
腫瘍もち舌でのラスト外食
検査と手術の間に土日を挟む。看護師さんから、手術後は回復に時間かかるので、外でお食事されてもよいかもしれません...と御助言。妻が日曜のランチに鉄板焼きの店を予約、当日の朝は着替え・靴をもってきてくれる。妻よ、ありがとう。
おいしいお肉。焼き担当シェフに伝えると、昨年は ○○ さん(某プロ野球選手)が見えられて ○○ を 召し上がりました、とのこと。俺の4倍の量~!
梅酒ソーダを1杯だけ。妻は少し心配そうに見る。(以降は5ヶ月間ほど断酒...2回目の入院から退院した後の6月に友人が家にみえられシャンパンをグラスに半分。)
とても良い思い出になりました。看護師さん、ありがとうございました。
たくさんの同意書・慌ただしい日々
頭頚科の主治医、同科の主治医とは別の何名かの先生方、再建を担当される整形外科医、麻酔科医、頭頚科の担当看護師、手術室の担当看護師、看護学生の実習の引率教員、学生受け入れを担当するこちらの病院の看護師、看護学生...。
診察や説明を頂いたり、病室で挨拶を頂いたり。検査を終えたら手術を待つだけと思ったが、意外に色々ある。
手術計画書を筆頭に、細かいものも含め8種類くらい?書類に署名。看護学生の実習受け入れも快諾。(看護師によると、学生を嫌がる患者さんも結構いらっしゃるんですよ~良かったです、とのこと。...その後、学生さんから口腔ケアと深呼吸についてレクチャーを頂くことができ、私も良かったです!)
手術前に気になっていたこと2つ
(1) 脚からもってきた再建材料から体毛が(口の中で)生えたらどうするのか?
→ 整形ドクター "毛は生えます。でも(唾液に浸され)溶けてなくなることが多いです。"
(2) 患部側の顎下腺を自分で触るとボコッと腫れているような...これがリンパの転移?
→ 頭頚ドクター "これは正常な顎下腺そのもの。"(術後の病理でも顎下リンパ節の転移は確認されなかった)
"あなたは守られています"
自分にできることはあまり無い...あとは主治医・チームを信じ、心静かにその日を待つ。しかし手術の前夜は、さすがに眠れない。睡眠薬をすすめられたが、結局、貰わない。
”あなたは守られています" ...ちょうど寝る前に妻からもらったばかりのメール。何度も何度も思いかえす。不安と、眠気と、うとうとした半覚醒の状態のまま、行ったり来たりを繰り返す。
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