14. 舌がん - 再入院 - 術後の抗がん剤と放射線と私(2) 2016.4
外泊
治療中の外泊では、皆で日帰り温泉に行ったのが一番の思い出。投与から 12日後くらいの時期の週末。食欲はすっかり回復。骨髄抑制は、この頃になっても、まだ数字にはでてこない。
手術とは逆に、入院期間が経過するにつれ、だんだんと体調が下がり気味の化学放射線治療...この最初の外泊が一番楽しかった外出になったのも当然か...。
妻が休憩用の部屋などを手配してくれ、温泉まで運転もできた。部屋の貸し切り風呂につかりながら、ノンアルコールカクテルをぐびり。体が温まる。もし生き残っているがんがあっても、この治療でとどめをさすぞ、と前向きになる。
ソフトな?脱毛
日帰り温泉の翌週の外泊は、第1クールから3週間近くが経過し、次の第2クールを数日後に控えた時期。この2回目の外泊のとき、自宅でシャワーを浴びていると、唐突に、生えたての短い柔らかい毛が、どんどん抜ける。
10人に1人の副作用が来たか...と焦った。最終的には、太くて長さもある程度あるメインの髪の毛は、無傷だった。しかし、この抜ける細い生えたて短い毛というのが、意外に量がある。普段は全く気にしてなかったけど。
このソフトな?脱毛は、だいたい1週間くらい継続した。風呂上りに使ったタオルから、抜けた細い毛が散らばってしまう。病院では時間だけはあったので、白いタオルを風呂上り用にして、ついた毛を指で取ってゴミ箱に入れたりしていた。
そして最後にひっそりとやってきた骨髄抑制
骨髄抑制の怖いのは、感染がなければ、白血球低下などを自分で感じないこと。退院後は、疲れやすかったり、口内炎や口角の割れ?がすぐにできた。だから、良くも悪くも、免疫力?の弱さを自分で感じとれた気がする。入院中は、散歩に行かない限り殆ど病室にいた。なので、自分が疲れやすくなったのかどうかさえ、いまいちよくわからない。
初回投与から3週から4週たったこの頃は、まだ次の抗がん剤を入れていないのに、週の後半になると倦怠感がでてきた。週明けの気分は良いので、放射線っぽい。でも薬の副作用の骨髄抑制(白血球)かも...など、放射線か薬かどちらに起因するかわからない、あるいは両方による体の変化に当惑していた(倦怠感ぐらいであれば、いずれの治療が原因か追究する必要もないのだろう)。
看護師さんによると、放射線の回がすすむにつれて、疲れやすくなるかたもいる、とのこと。1日のリズムでは、おおむね午前中の調子はよく、午後にだんだんとだるくなる。夕方はぐったりし、ウトウトと実際に少し寝てしまうことも。
無念のシスプラチン第2クール中止
白血球は、投与から2週経過したあたりから急に落ちてきたので、第2クール予定日の朝にも採血。しかし依然として白血球・好中球の値の底がみえない。注射をうったり薬を飲んだりして1週間ほど様子をみる。しかし、基準に達しない。第2クールは中止とのこと...残念。
そして白血球・好中球はなかなか回復せず、さらに2週間かけ、第3クール予定の前の週に、やっと基準値超えのレベルに戻った。この間、傷つけるといけないからと口腔外科の歯石除去も休みとなり、不安だけが募る。
この骨髄抑制では、感染が無かったのは喜ぶべきことであるが、それでもそれなりに深刻な副作用の割には自覚症状が全くないのは、不思議な感じだった。数字ではっきりわかる血液検査結果に、毎回一喜一憂していた。
放射線に灼かれて
『太陽を奪った男』という古い邦画があり、手製の原子爆弾を脅しに使って、世の中に反抗する話だったと思う。放射能 / 放射線 は人類がつくりだした太陽という比喩は言いえて妙。
やけどの症状が、口の中や、外側すなわち首の皮膚にでてくる。15回目、折り返したころから。あちこちの歯茎の痛み。奥歯のさらに奥の歯茎?には、カンジダ。頬の内側や唇の裏、ぷつぷつと沢山の口内炎。痛く、麻酔入りのうがい薬をもらい、そのときは楽になるが、痛みとその対応に、かかりっきりとなり、何だか気持ちが弱くなってしまう...。
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